2017年2月26日日曜日

「はたちのはなし」発表会

はたちのはなし 発表会
2017年2月26日(日)15:30 茅野市民館マルチホール
遊び案内人:柏木陽(NPO法人演劇百貨店代表、演劇家)
出演者:おみつ、カズくん、キモ、清、さよ、タバサ、ちゃむ、ハチ、ひよこ、フミフミ、ぽち、やーさん、やぎ、ゆみ、まきまき、まゆ

人に話を聞いて劇に!?
新成人アンケートを劇に!?

はたちのことって知ってますか?
誰にでも訪れる不思議な時間“はたち”。
毎年、成人式が行われていて
毎年、何人もはたちになって
何があったのか、なかったのか
わからないまま過ぎ去っていきます。
そんな誰にでも訪れるはたちのことを
みんなで取材して考えて
劇にしました。

◎オープニング
はじまります、のダンス
1/7にみんなで集まってアンケートをつくり、1/8に市民館で行われた成人式ではたちを迎えた方々にアンケートをとりました。そしてこの劇をつくりました。
そのほかにも、地域の皆さんに聞いて、かつてと、今と、これからのはたちについて、考えてみました。
それでは、ご覧ください!




◎新成人アンケートをとる前のイメージと実際の劇
成人式でアンケートをとる前はこんなことを考えていたんです…。
(相手にしてもらえないかな…)
でも実際は…?断るのも丁寧。盛り上がってても「いいよ」と応じてくれたり、あとで…って断られたかと思ったけどすっごい連れてきてくれた!
「まじで?うれしい~!」
そして、とってきたアンケートの結果がこんな風になりました。











◎アンケートデータの「見える化」劇
円グラフや某グラフでパーセンテージを見える化。
はたちの皆さんに聞きました!
住んでいるところは?茅野市、それ以外。
同居人は?ひとり、家族、それ以外…。
今、不安なことはありますか?
あるとしたらどんなことですか?
男性→就職、将来、健康、奨学金の変換、社交、今後の人生、食生活、サークルの運営、学校、お金、病気、単位、非常呼集があるかないか、正規雇用、ひとり暮らし、恋愛、家族
女性→仕事、将来、進路、学生になること、卒業できるか、学校、健康、幸せになれるか、人生。
…不安だよねぇ。

◎新成人アンケートから想像する人物像の劇
アンケートのなかで気になった回答「非常呼集」?どんなことなんだろう?
消防団の勧誘。「卒業おめでとう!4月から消防団に入ってもらおうと思ってきました」
「呼び出されるんじゃないかなあ」「火事のとき以外ないから大丈夫!」…友達と飲んでいるとき、サイレンが鳴り(うなり)だした…!
「今後の夢」で、女性の気になる回答が。どんなだろう?と考えてみました。
東京で一人暮らしの女子大生。お金がほしいのでアルバイトをしています。いろんな人生模様が交差します。…実家、帰ろっかな。あ、でも合コン!







◎「はたちについて」聞き書きの劇
そこで、もっといろんな人に話を聞いてみようと、インタビューして聞き書きをしました。
40代女性のはたちのころのはなし
1歳2ヵ月の女の子のお母さんのはなし
酔っぱらったうちのだんなのはなし
茅野市美術館学芸員Nさんのはなし
わたしのむすめのはなし
プロのお笑い芸人を目指す女子高生のはなし
17歳前で職人になったうちの主人46歳のはなし
年金が少ないと嘆いている初老の男性のはなし
会社の同僚 27、28、29歳のはなし
友人Sさん60代のはなし
劇場勤務の24歳女性のはなし
ある演劇部の17歳男子のはなし
リアルはたちの男の子のはなし















◎「はたちのはなし」聞き書きの劇・就労支援施設のはたちの座談会
諏訪の就労支援施設にて、皆さんにお話を聞いてきました。
皆さん、はたちになってうれしかったことはありますか?
毎日、なにをしていますか?
お休みの日とかは、なにしてるのかなあ。
夢、とかありますか?













◎エンディング(自分自身のはたちのはなし)
自分がはたちのときは働いていました。
4年前はたちになりました。
はたちのときは今の主人とつきあってました。
3年後、はたちです。
成人式に遅れていって、だれもいなかった。
……



 これにて「はたちのはなし」終了です。
柏木さん「今回、ワークショップの期間中に市民館で成人式があった。劇場にはたちの人が来るって、もしかしたらそれ1回だけかも。今、はたちの人と話す機会はそんなにない。わたしたちはあなたたちに関心があるよっていうことを伝えるために、アンケートをとって実際に聞きに行ってみた。そして、なにがわかるんだろうと考え、いろいろな人にインタビューしてみた。はたちは、意味はないけれど成人なったっていう線引きをされる年。あなたはどうでした?ということから何か見えてくるかなあ?と。はたちは、なにか起こったら自分で責任をとるようになる年。なんにもないんだけど、通過点として通過しちゃってる我々。そんなことが少しでも考えられるといいなあと思って企画してみました。」

◎振り返り
感想
「聞いてきた言葉・声と、今そこで生きている人の言葉・声と、多重に聞こえてきた。濃かった」
「はたち、ぼんやりしてるんだけど、広い」
「再現シーンの疑似体験は一生忘れられない!」
「本当に楽しくて終わるのがさみしい」
「ワークに前回ちょっと出て、今日午後に来て速効初舞台。今まで裏方だけだったけど初めて演じる側になっておもしろかった」
「参加するまわりの方の話を聞いているうちに、その人自身の人柄とかが見えてきて、いつも一緒にいる高校生とは得られない感覚が毎回得られて、めちゃくちゃ勉強になったしめちゃくちゃ楽しかった」
「脇で見る側にまわったが、去年の御柱の聞き書きをふくめて、そこから膨らませて、具体的にする・つくるパワーが毎回増えてる気がする。去年よりももっと面白かった。演じる側と裏で作る側でまたやりたい」

===柏木さんより===

次へつながる方法を考えてやってきた。今回は聞き書きに加えて数値。数値になってるものの裏側には実は膨大なものがあって、見方をどこで切るかによっていろんな見え方があり、そこからまた何かが見えてくることもある。演劇をつくるつくりかたは一個じゃない。鼻歌うたうみたいに、草野球みたいに演劇を楽しむこともできる。多様な演劇との付き合い方がもっともっとあるはず。そのことがちょっとでも面白いと思ってもらえたらそれだけでOK。
つくったのは3日間だけど、皆さんのあたまのなかにすごい時間かけて仕込んでいるから。前の3年があって、参加した人がほかの人に伝承して、ほかの人にも影響を与えていく。人がプラットフォームになっている。そういうコミュニティ。そのコミュニティのなかでなにかが生まれる。
ダメだしはないけど、ひとつだけ。最後のシーンをなぜ途中でとめたか。理由はテンポわるいから。全員でつくってるとキープできるがひとりになると次への受け渡しに時間がかかる。自分の時間にひっぱられる。他人のための時間にするにはどうするか。自分がどうやろう…となるが違う、そこじゃない。掛け算にする。

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